私大助成運動について

明治大学教職員組合では、学生の勉学条件、教職員の教育・研究環境の充実及び労働諸条件の向上を目指し、毎年活動を展開しています。

日本の教育に対する公費負担率はGDP比でOECD諸国中最下位

現在、大学生の75%が私立大学で学んでいます。私立大学は、教育の充実を目指す取り組みを長期にわたって積み重ね、国民の教育要求に応えるとともに、有能な人材を数多く送り出し、憲法、教育基本法、学校教育基本法等に基づいて設置された高等教育機関として、大きな役割を果たしています。しかし、それにもかかわらず、私立大学への国の補助があまりにも低く、学生一人あたりに換算した額は、国立大学が194万円であるものに対して私立大学はわずか15万円、国立の13分の1で、学費負担は過重なものとなっています。首都圏の私立大学に入学した新入生(自宅外通学)の仕送り額が月額8.8万円と低水準にとどまり、1日の生活費はわずか710円しかなく、アルバイトをしなくては学生生活ができない状況です。さらに私立大学の経常費に占める補助金の割合は、1980年度の29.5%をピークに2015年度は9.9%に減少し続けています。

学費負担の大幅軽減と私大助成の増額を求める署名が約14万筆集まる

毎年、私たちは、東京地区私立大学教職員組合連合(1都9県をエリアとする私立大学教職員組合の連合体で、現在、早稲田・慶應・立教・法政・中央大学をはじめとする56の大学・15短大・1高専の組合が加盟)を中心として私立大学生の学費負担の大幅軽減と私大助成の増額を求める国会請願署名を集めています。昨年の取り組みでは、コロナ禍で大変厳しい経済状況のなか、新入生の保護者の皆様、教職員から多大なご協力をいただき、署名は本学だけで3094筆が集まりました。ご協力いただいた皆様に深く感謝申し上げます。
このような署名活動が例年、各政党の国会議員・関係省庁への要求と交渉の支えとなり、私大経常費補助の増額に繋がりました。また、日本育英会奨学金制度についても、これまでの運動により、有利子制度の奨学金ではありますが、採用基準を成績基準ではなく経済的条件のみとする等の進展をみています。

2022年の私立大学新入生の家計負担調査

また、同取りくみでは、首都圏の私立大学に入学した新入生の家庭の経済的負担度を明らかにすることを目的として、各家庭の家計負担調査を実施し、明治大学では846件の保護者からご回答いただきました。その結果は東京私大教連ホームページにも、エッセンスが紹介されています。この調査結果は毎年4月にテレビや新聞等マスコミでも大きく報道され、学費負担の問題や私大助成の問題への社会的関心も高まっています。

東京私大教連 私立大学新入生の家計負担調査の概要はこちら

  1. 自宅外通学者の「受験から入学までの費用」は226万円で過去最高を更新
  2. 「入学の年にかかる費用」は308万円(自宅外通学者) ~年収の3割を占め引き続き家計の大きな負担に
  3. 毎月の仕送り額は8万8600円で低水準にとどまる ~家賃を除いた1日あたりの生活費はわずか710円
  4. 入学費用の「借入額」は197万円で大幅に増加 ~約9割の家庭が入学費用の負担を「重い」と感じている
  5. 奨学金の希望者は5割、実際の申請者はそのうちの5割にとどまる ~「授業料の直接助成制度化」を9割以上が求めている
2022年度明治大学新入生の保護者から寄せられた声

今後の日本を作っていく人材を育てるという視点で国が教育に係る助成をしてほしいと思います。教育格差の広がりが気になります。

国公立大学に比べて、私立大学は、とても学費が高く、家計に多大な負担がかかり、困っています。ぜひ、国に、私立大学への補助金を増やして頂き、助けてもらいたいです。

自分が学生の頃の私立大学の学費から現在の学費が大幅に上昇している。無償化とは言わないが、せめて現在の国公立大学並みの学費負担にしてほしい。

組合は、保護者の経済的負担を軽減するための制度改革と公費助成の増額を求める署名運動を強力に進めていきます。積極的なご支援とご協力をお願いいたします。

明治大学教職員組合
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